新しい命

彼はどんどん変わっていった。誰もがビックリする程に。その頃、私のお腹には新しいいのちが宿っていた。私は刻々と迫る彼との別れの時を考えるあまり、自分自身の体調の変化に気づきもしなかった。気づいたのは私が地元を離れるまでに1ヶ月あるかないかの時であり重大な選択に迫られていた。彼がひと仕事を終えて帰ってきた時、彼はどう思うんだろうとドキドキしながら彼に全てを伝えた。元々、子どもが大好きだった彼は戸惑うこともなく「俺は生んでほしい!」と言った。