バスの中で

あの言葉を発した日を境に彼は私について回るようになった。自校の教室で私を見かけると必要以上に話しかけてくる。私は当たり前のことを言っただけで、特別な感情はなかったので、話しかけられても笑って軽くあしらっていたが、それから数日後のある日、自校のバスで帰る為、乗り込んだところを彼が追いかけてきて紙袋の切れ端に書いたと思われる電話番号を渡してきた。自校のバスの運転手さんが「何やってんだよ!早く降りろ!」「こいつのこと、相手にしなくていいからね〜」と。彼は私に一言、「待ってるから‼︎」と言ってバスを降りた。