初めての電話

バスの中で電話番号のメモを渡されてからどれくらい経っただろう。1週間くらいだろうか。彼は私の住んでいるところから1時間は離れたところに住んでおり、その当時、私の親友の彼氏が住んでいる地域と同じだった。親友の彼氏から「あいつ、毎日電話待ってるって」「一回でいいからかけてやってよ」と何度か言われ、その時点では彼のことを何とも思っていなかったが、しつこくされるのも嫌だからと、ある夜、電話してみることにした。「もしもし?」「もしもし!ずっと待ってたよ。ありがとう!」彼は弾んだ声でこう言った。気づいたら1時間以上話していた。