いつも一緒

あの電話を境に私たちは会えば必ず行動を共にした。自校で受ける授業が違ってても、彼は私のことを待っていた。授業がない時間帯は一緒に外出した。2人きりではなく彼の友達も一緒だったが、私にとっては何故か心地よく、いつも笑っていた。私たちが通う自校から歩いて行けるところにもう一つ自校があり、ある時、一緒にそこへ遊びに行った。帰りはすっかり暗くなっていて大声でゲラゲラ笑いながら皆んなで帰ってくる途中彼は私に「付き合って」と言ってきて、からかわれてると思った私は「何言ってんの?」って笑って言うと、一台の大型トラックが前から走ってくるのが見えた。彼は突然、道路の真ん中に飛び出しトラックを前に手を広げてこう言った。「僕は死にません。」当時、大ブレイクしていたTVドラマのワンシーンだ。彼は「本気だから俺と付き合って」と真剣な顔で言った。あまりにも彼の無謀な行動に「わかったから!危ないからもうやめて!」と言うしかなかった。そして私たちは付き合い始めた。